2014年7月3日木曜日

2014年 クライブ・シェリダンのリトリートとワークショップ

ほとんど更新されないブログで、今年もやはりパスワードを忘れてしまい、いろいろ試してみた結果ようやくログイン出来ました。そんな訳で、相変わらずネット難民です。テクノロジーはそこそこ行けるんですが、IDとかパスワードが関門なんですね。

 ブックレヴューのブログにしたいと思いつつ、全くいつになることやらですが、今年2014年もクライブのフライヤーが完成しましたので、今年もどうぞよろしくお願いします。

Wake up !  Move on !   目覚める! 踏み出す! 
今年もクライブ・シェリダン先生のリトリートが開催されます。今回も短期滞在コースをレギュラーコースとともに行います。ハタヨガのヴィンヤサとプラーナヤーマ、メディテーションなどしっかりとした練習に加え、クライブの体験に基づくヨーガの叡智を学べるサットサンガ(講話)は、ヨーガのより深い理解をもたらすでしょう。
 クライブ先生の教えの特徴は、大きな視点でヨーガの全体像を理解する総合性です。ハタヨガに加え、タントラ(密教)とアドヴァイタ(非二元論)の学びが、私たちのこころの本質や宇宙的な真理とされるものに自らアプローチするすべを与えてくれるでしょう。理解し、体験し、さらに理解する。その繰り返しの中に「私」と思われる存在の核心に迫っていくプロセスがあります。
 フライヤーの2つの正三角形のヤントラについては、以前書いたので省きますが、今年は2つの6面体(キューブ)を掛け合わせました。正方形(スクエア)は、シビアな現実を象徴します。しかし、2つあるので実はそこには見えない8角形が隠されています。8は∞(無限)に通じます。シビアと思われる現実ですが、それにあえて直面することでブレークスルーするのではないかと思われます。紙のフライヤーを手にされたら、ぜひ少し暗いところでご覧ください。この2つのキューブが発光して見えます!
 時代も大きな変動のさなかにあります。人のこころも大きく変わります。人生の岐路に差し掛かっている方も少なくないことでしょう。そのような方には(もちろん安寧に暮らす方にも)、御岳山のリトリートをぜひおすすめしたいと思います。
 深いところで目覚めて、自分が本当に望むところに向かって歩み出す。そのようなきっかけになるリトリートとなることをオーガナイザーは願っています。






















裏面も貼っておきます。今年は内容を整理して、キーワードなどをつけてみました。一般的に今どきヨガと言えば、ハタヨガですが、それだけにとどまらないものがありまして、タントラとアドヴァイタについて簡単な説明をつけました。クライブのプロフィールにもありますが、彼の祖父は日本人です。10代のころ目指した日本に60代になって初めて来ることになりました。

 現代のヨガの再興は、19世紀〜20世紀初頭にかけてのヨーロッパでの東洋神秘思想への関心の高まりとイギリス植民地化にあったインドでのヨガをはじめとする伝統文化のリバイバルが出会うことでその基礎が培われたと言えるでしょう。その後、2つの大きな戦争の後、大量生産・大量消費の社会に疑問を持ち、より自然の摂理に沿った生き方を指向する地球意識を持ったカウンター・カルチャーの世代が国を飛び出し、世界中を巡りました。60年代のエコロジカル・ムーブメントやイルカの知性の研究はこうした流れとリンクします。その中でインドにも多くの若者たちが向かいました。まだ、誰も知らなかったリアルなインドに辿り着いたとき、それは新たな西洋と東洋の出会いでした。いま街で見かけるようなスタジオなど当時のインドにはなく、川辺や森やアシュラムでヨーガに出会います。今のようにあらゆる情報がネットで見られる時代ではなく、ヴィヴィッドにヨーガと自然と神秘に出会いました。この60年代からの西洋と東洋の再会が今に続くヨガ・ブームの源と言えるでしょう。
 クライブは、まさにその時代の流れを俯瞰してきた貴重な生き証人です。インドの各地の森や川や寺院などの聖地を巡り、ありのままの世界の美しさに驚嘆し、ただ目覚めてシンプルに生きることの大切さを伝えます。何ももったいぶったものはなく、私たちの内にあって眠っていた大切なことを思い起こしてくれるかもしれません。英語がわからなくても、ご心配なく。訳してくれる人がたくさんいますから、ぜひ、クライブとトークしてみてください。

 リトリートに参加する方々は、とにかくヨーガを真剣に探求し続ける方々もいれば、いつもユーモアに溢れる方々もいますし、ひとり静かに過ごすことを愛する方々もいます。練習は皆で一緒にしますが、基本的に自分が自分でいられる場所です。皆人それぞれです。いろいろな人と語らうのもいいし、一人静かに過ごすのもおすすめです。東京とは言え、奥多摩の山は深い森に包まれた場所ですから、空いている時間に山の散策に行くのもいいでしょう。いろんな素敵なルートがあります。星々や遠くの街の灯りがみえるナイト・ウォークもいいでしょう。
 食事は全てベジタリアンで、宿坊の女将さんたちが丹精込めてつくってくださるとても美味しい料理です。ちょっとハードかもしれない練習のやりがいが高まります。
 今年は、初めてリトリートに参加する方にも来やすいように、連休のある日程で短期のオプションの枠を少し多めに用意しました。気になっている方々はぜひこの機会にクライブ先生のリトリートを体験してみてください。短期のスペースは限られていますから、ご予約はお早めに。
詳しくはワンダーヨーガのサイトをご覧ください。
 また、リトリートはちょっと都合がつかないという方は、名古屋のワークショップをお勧めします。

クライブ・シェリダン 名古屋ワークショップ
9月13、14日(土日)桑山美術館
桑山美術館は、茶室のある落ち着いた風情の美術館です。茶の湯の文化を伝える茶器や侘び寂びの美術品を展示する素敵なところです。オプションで頼めるランチは、これもとても美味しいベジタリアンの食事です。
 東京から新幹線で1時間40分。新大阪からなら1時間弱。ウェブサイトには宿泊情報も掲載しています。
名古屋ワークショップについては、プラーナモーションのサイトをどうぞ。

ヨーガのこれからの可能性

戦争の可能性がよりリアルになった日に思うことをちょっと書きます。
 今年は去年よりさらに混沌としていて、先日7月1日も日本を戦争を出来るような国にしてしまうような閣議決定がなされ、去年の参議院選や秘密保護法案もそうですが、ヨガが理想とする非暴力とは対極の情勢に世の中は引きずられているように思われます。これは日本に限らず、世界情勢などを見てましても何か地球規模の悪意のようなものが吹き出しているかのようにも見えます。全く意味のないマネーとパワーのゲームがこれまでにも増して繰り広げられている訳ですが、地球環境のことを少しでも考えるなら、そんなことをやっていたら人類の存続も難しくなることは自明のことです。けれども、悪意と思われるようなものも、この世で現象化することでことの本質が明らかになる部分もあります。これからは私たち一人ひとりがどう生きたいのかが問われてくるでしょう。
 どういう訳か、フライヤーが出来てこのブログをアップしようという時は、日本の政治状況が熱くなっていて、大きな力をもった方々による無理スジなことがまかり通り、抗議行動が活発に行われています。ヨガと社会の関わりというものを歴史的に考えてみると、伝統的にはあまり関わりがないと言うか、社会を去った人々がヨガをしていたりしたので、ヨガは社会との関わりのことは考えずに、ひたすら個を超えた領域を目指していたわけです。しかし、高度に産業化した現代において、ましてやこのまま行けばより大きなあるいは多くの苦しみがもたらされかねない状況において、ヨガが社会に与えることができる恩恵のようなものもあると思います。
 そもそも、ヨガがこれだけ産業化されるようになったのは、歴史上初めてのことでしょう。行き過ぎた商業化には、えっ!?と思うこともしばしばですが、広く普及してきて市民権を得たことは悪くないことだと思います。さまざまなヨガが現れて選択肢が増えたことも良いことです。ヨーガは結局のところ瞑想だと思うのですが、今後さらに混迷の増しそうな世の中においてヨーガがなしうることは、自分の個としての諸問題を可視化し、それらを手放し、本当の自由を得る、ということだと思います。ヨーガの瞑想は、エゴの問題を解決する、さらには個を超える実践的ツールになりうると思います。自分のエゴ・マインドに酔いしれているようであれば、遅かれ早かれ破綻は避けられないでしょう(もちろん、それはヨガを深めるいいきっかけなのですが)。しかし、思想や教条、これまでの条件付けを排し、ありのままの事実に立脚する。自分の思考や感情を抑圧せず、全てを引っ括めてクリアにニュートラルに気付いていること、このことが私たちの明日のより良い1歩を進めてくれるのだと思います。
 そして、気付いて、目覚めて、歩み始めた人がその気づきをシェアする。そうすると、また気付いて、目覚めて、歩み始める人が増えていくでしょう。そうなっていくといいなと思います。




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